築30年、そのままだった襖を、キレイに張替えしました。
ふすまの張替え手順を、簡単に説明します。ふすまは枠が命なので、割ったり傷にしてしまわないように、枠を外さないで張替えていきます。
・まずは、汚れた襖紙をはがします。
枠に沿って、カッターで切れ込みを入れてから、全面にYの字に切り込んで、
襖紙をはがします。襖紙は全面に貼り付けているのではなくて、
まわり1.2㎝ほどで糊付けしているので、Yの字に切れ込みをすることで、
簡単にはがすことができます。枠廻りに残っている紙を
浮いているところがないように、きれいにしておきます。
*ちなみに、経年劣化により、襖紙が裂けてしまうのは、
まわりだけで貼り付けているためです。
・新しい襖紙を裁断します。
枠の内法寸法を、ミリ単位まできっちりと計り、
糊の水分で、襖紙が伸びる分を考慮して、裁断します。
また、茶チリとよばれる裏打ち紙も、裁断しておきます。
・2種類の糊の支度をします。
べニアから出るアクで変色するのを防ぐために、
正麩糊に、アク止め剤を混ぜておきます。
廻りに使う糊は、固めにします。中全体に塗る糊は、水糊と呼ばれ、
牛乳程度に薄めておきます。
・糊付けをして、張り込んでいきます。
襖紙の廻りに固めの糊を、中全面に水糊を塗ります。
その後、茶チリを貼り付けて、袋張りの状態にします。
建具に貼り付けて、枠のすきまに、襖紙を入れ込んでいきます。
無理をすると、紙が裂けてしまうので、慎重に作業していきます。
・ゆっくりと乾かします。
貼り付けた襖紙が、空気にさらされないように、建具同士を合わせておき、
一晩かけて、乾かします。急激に乾燥させると、紙の引っ張りによって、
廻りの糊が外れて、シワシワになってしまうので、とても大切な作業です。
・仕上げに、新しい引き手を付けます。
しっかりと乾いた状態になったら、引き手を付けていきます。
ふすまの張替えの際には、ほとんど引き手が錆びているので、
新しいものと交換します。
・お客様のところへ搬入、納品をしまして、作業完了となります。
敷居などが下がり、建具の動きが悪い場合もありますので、
事前に、建具を削り、調整をしておきます。
このような手順で作業しています。参考になったでしょうか?
お客様には、明るくキレイになりましたと、たいへんお喜びの声をいただきました。
ふすまの張替えのご依頼、ありがとうございました。
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